【2025年最新版】公的統計データ・有料二次データの活用法|代表的市場調査レポート徹底比較・選び方ガイド

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目次

1. はじめに

市場調査を行ううえで、信頼できるデータソースの活用は極めて重要です。特に日本市場においては、国や自治体、業界団体などが公開する「公的統計データ」や、専門機関が提供する「有料の二次データ」をうまく使い分けることが、調査の質を大きく左右します。

実際の業務では、「市場規模を把握したい」「業界トレンドを知りたい」「地域の消費者像をつかみたい」といった様々な目的に応じて、使うべき情報源も異なります。無料で網羅的なデータが取得できるe‑Statのような公的サイトと、迅速に高品質な図表付き情報を提供する有料サービスをどう組み合わせるかは、マーケターや企画担当者にとってのスキルの一つとも言えるでしょう。

この記事では、日本国内で利用できる公的および有料の代表的な市場調査データとその特徴、選び方、使い分けの考え方まで、実務に即した形で丁寧に解説します。

2. 二次データとは?市場調査での位置づけ

市場調査で使用されるデータには大きく分けて「一次データ」と「二次データ」の2種類があります。一次データとは、自社が独自に収集・分析したデータのことを指し、アンケートやインタビュー、アクセスログの分析などが該当します。

一方、二次データとは、他の組織や機関が既に収集・公開している情報を指し、誰でもアクセスできる統計や市場レポート、業界白書などがその代表例です。この章では、二次データの特性や活用場面を明確にし、なぜ多くの企業がこれを活用するのかを解説します。


二次データのメリット

  1. コスト効率が高い
     自社で調査を実施する場合、調査設計・対象者抽出・データ収集・集計などのプロセスに手間と費用がかかります。対して、二次データはすでに整備された情報のため、スピーディーかつ低コストで入手できます。
  2. 網羅性と比較可能性がある
     特に公的統計は長期にわたって同じ項目が継続して調査されており、地域別・業種別などの多角的な比較が可能です。たとえば、国勢調査や経済センサスは、全国単位で標準化された数値を提供してくれます。
  3. 一次調査の補完資料として有用
     一次データで得られた知見の裏付けや補足に使えるほか、一次調査の設計時点で市場の大枠を把握するための前提資料としても重宝されます。

二次データの注意点

ただし、二次データには限界もあります。たとえば、

  • 必ずしも自社のターゲット層やニーズに合致するとは限らない
  • 調査時期が古い場合は最新のトレンドを反映していない
  • 調査方法が不明瞭な場合は信頼性に注意が必要

といった点を踏まえて活用する必要があります。


実務での位置づけ

現場のマーケターやリサーチ担当者にとって、二次データは「調査の出発点」となる資料です。市場全体のボリューム感や変化の兆しを把握したうえで、必要に応じて一次調査に進む。あるいは、レポート作成や社内説明資料に客観的な裏付けを持たせるための根拠として使う――こうした活用方法が主流です。


3. 日本の公的な統計データの活用法

日本政府や自治体、独立行政法人が提供する公的統計は、ビジネス戦略やマーケティング計画の基盤となる客観的なデータとして極めて重要です。無料で利用でき、情報の信頼性・網羅性が高いことから、調査の初期段階や地域・業界分析に欠かせない存在となっています。

ここでは、日本国内で実務的に活用される主要な公的統計データと、その特徴を解説します。


3-1. e‑Stat(政府統計の総合窓口)

e‑Stat は、日本政府が提供する統計ポータルサイトで、各省庁の統計調査を一元的に検索・閲覧できます。国勢調査、経済センサス、家計調査、労働力調査など、日本国内の基礎的な数値データが広く網羅されており、信頼性と汎用性の高さが特長です。

主な活用シーン

  • 市場規模の全体感を把握したいとき(業種別企業数、売上規模)
  • 地域別の需要・供給バランスを知りたいとき(都道府県別の人口、産業分布)
  • 消費者の生活実態を知りたいとき(家計支出、就業構造)

また、e‑Statには「統計ダッシュボード」や「統計GIS」など、視覚的に理解できる補助機能も揃っており、調査設計前の基礎分析にも向いています。


3-2. 総務省 統計局・経済産業省・厚労省などの専門統計

e‑Statで見つからない詳細データやタイムリーな資料は、各省庁の統計ページから直接取得するのが有効です。たとえば:

  • 総務省統計局:家計調査、労働力調査、住民基本台帳人口など
  • 経済産業省:商業動態統計、鉱工業指数、産業連関表など
  • 厚生労働省:医療・福祉・労働関連の調査(介護実態、医療費統計など)

特に業界分析や新規事業開発では、業界別の出荷額・売上構造・人材需給の把握が鍵になるため、こうした統計の閲覧は必須です。


3-3. RESAS(地域経済分析システム)

RESAS(リーサス)は、内閣官房と経済産業省が提供する地域経済可視化ツールです。中小企業・自治体・スタートアップ支援の文脈で開発されたため、都道府県や市区町村単位での産業構造・人口動態・観光客動向などが地図ベースで確認できます。

活用事例

  • 出店候補地の市場ポテンシャル評価
  • 地域施策や自治体連携プロジェクトの資料作成
  • 補助金申請や政策提案の定量根拠として

地域に特化した分析が必要な場合、RESASとe‑Statを併用することで、より現実的なインサイトが得られます。


第4章:有料統計データサービスの活用方法

無料の公的統計データだけでは十分な分析が難しい場合、有料の統計データサービスを活用することで、より正確かつ深い洞察が得られます。特に企業戦略、商品開発、競合分析など、実務的な意思決定においては、精緻で即時性のあるデータが求められる場面が多く存在します。

この章では、日本市場における代表的な有料統計データサービスをカテゴリ別に紹介し、調査目的や利用シーンに応じた使い分けの視点を解説します。


4-1. 国内マクロ・経済データの収集に強いサービス

Nikkei NEEDS(ニッケイニーズ)

日本経済新聞社が提供する統計・財務・マクロ経済データベースで、証券会社・官公庁・シンクタンクなどで広く利用されています。上場企業の業績、産業構造、経済指標などを横断的に把握できるため、経営企画や投資分析での利用価値が高いです。

QUICK FactSet Workstation

QUICKと米FactSetの統合プラットフォームで、日本とグローバルの経済・企業データを一括管理可能。企業分析から株価予測、業種トレンドの評価まで幅広い用途に対応。

Nikkei Telecom(NIKKEI COMPASS)

日経新聞・日経BPなどが発信する記事と共に、企業・人物・業界データを横断検索できる情報収集プラットフォーム。市場環境の変化を俯瞰する材料として有効です。

Nikkei CPI Now(CPINow)

POSデータをリアルタイムで集計し、月次の物価指標として提供。価格改定や需給動向をタイムリーに把握したいマーケティング担当者に適しています。


4-2. 企業信用・業界構造を把握するためのデータサービス

帝国データバンク(TDB)

老舗の信用調査機関で、約150万社以上の企業データを保有。与信管理だけでなく、業界構造分析や商圏調査の資料としても活用されます。

東京商工リサーチ(TSR)

TDBと並ぶ信用調査大手。上場・未上場企業を含む詳細な企業概要、支払情報、提携関係などを把握でき、B2Bマーケティングにも活用可能です。


4-3. 生活者・業界の一次調査に強いリサーチ会社

マクロミル

パネル数が多く、調査設計から分析までをワンストップで提供。生活者のニーズやブランド認知調査などに多用されます。

インテージ

国内最大級の消費者行動データを保有し、食品・化粧品・医薬品など生活密着型業界に強みがあります。

クロス・マーケティング

柔軟なアンケート設計が特徴。スピーディなモニター調査が可能で、仮説検証フェーズに最適です。

楽天インサイト

楽天グループの行動ログデータとアンケートを掛け合わせたリサーチが可能。ECや金融分野の分析に特化。


4-4. グローバル市場への拡張に使えるツール

Statista(スタティスタ)

世界70,000以上の統計グラフが視覚的に取得できるドイツ発のプラットフォーム。海外市場の動向や国際比較を迅速に行いたい場合に有効。

Euromonitor(ユーロモニター)

100カ国以上をカバーする業界・消費者データベース。市場規模予測、ブランドシェア、消費トレンドなどを網羅し、海外戦略に不可欠な情報が得られます。


5. 公的データと有料データの使い分け方

市場調査では、「できるだけコストを抑えたい」という現場の声がある一方で、「信頼性の高い、かつ最新の情報が欲しい」という要望も根強く存在します。そこで重要になるのが、公的データと有料データの適切な使い分けです。

それぞれの特徴と、調査目的・フェーズ別の活用方法を整理してみましょう。


5-1. 特徴の比較

項目公的データ有料データ
コスト無料高め(数万円〜数十万円)
入手スピード比較的遅い(年次・月次の更新)即時アクセス・リアルタイム対応もあり
網羅性・継続性高い(時系列・地域別に対応)業界・指標ごとにばらつきがある
カスタマイズ性低い(汎用的な指標が中心)高い(ターゲットを絞った分析も可能)
表現形式表・CSV中心図表・インフォグラフィックなど多彩
出典の信頼性非常に高い(政府・自治体)提供元による(第三者評価が重要)

5-2. 調査フェーズ別の使い分け

【フェーズ1】市場全体の把握(マクロ視点)

  • 活用:e‑Stat、RESAS、経済産業省などの統計
  • 目的:市場規模や業界構造の全体像を捉える
  • 理由:無料で信頼性が高く、長期時系列で比較可能

【フェーズ2】ターゲットの特定・仮説構築

  • 活用:公的統計 + 有料ツール
  • 目的:地域性や年齢層ごとの傾向を明らかにする
  • 理由:必要に応じて有料データで精緻な切り口を加える

【フェーズ3】施策設計・競合分析

  • 活用:有料レポート(業界分析レポート等)
  • 目的:競合のシェア、伸びているセグメントを詳細に把握
  • 理由:ビジネス上の意思決定に直接関係するため、確度とスピードが求められる

5-3. 組み合わせてこそ見えるもの

公的データは「土台」として、市場の基本構造や変動傾向を知るのに適しています。一方で、有料データは「補完・深堀り」によって、より現実的な戦略やマーケティング戦術を描く手助けとなります。

どちらかに偏るのではなく、目的・予算・スピード感に応じて両者をバランスよく組み合わせるのが、実務的な市場調査において最も有効なアプローチです。

6. 比較表とまとめ、参考リンク

公的統計データ・有料二次データの比較表

主な比較軸は「カテゴリ」「提供元・概要」「代表的な特徴」「メリット」「注意点・用途」など。下記表をそのままエビデンスベースの比較資料としてご利用いただけます。


ツール・データ名カテゴリ提供元・概要主な特徴・メリット注意点・用途例
e‑Stat
(政府統計ポータル)
公的統計政府(総務省等)・無料網羅的な公的統計データ
・地域/業種/年代など多角的比較可
・視覚化ダッシュボードも有
・時系列で幅広い比較可
・調査設計前の基礎分析
・最新性や個別性は限定的
総務省統計局 / 経済産業省 / 厚労省公的統計各省庁・テーマ特化の統計多数
・詳細・最新資料入手可
・e‑Stat未掲載詳細/タイムリー統計の入手
・業界別分析など活用
RESAS
(地域経済分析システム)
公的統計(可視化)内閣官房+経済産業省・地図/グラフで地域別産業/人口等の分析
・補助金や施策立案にも必須
・市区町村/都道府県レベルの分析サポート
・e‑Statと併用で網羅的理解
Nikkei NEEDS有料二次データ日本経済新聞社・国内最大級マクロ・企業・産業データベース
・経営/投資分析に必須
・証券/コンサル/金融等実務で広く利用
QUICK FactSet Workstation有料二次データQUICK+FactSet・日米/グローバル企業データや経済統計
・トレンド予測/株価分析も対応
・多機能なため高額・データ取扱スキル要
Nikkei Telecom(NIKKEI COMPASS)有料二次データ日経新聞社・新聞記事、業界/企業/人物データ横断検索・マーケット変化全体把握、トレンドやレポート収集
Nikkei CPI Now有料指標日本経済新聞社・POSデータによる月次物価のリアルタイム指標・価格改定/需給変動の即時把握
帝国データバンク(TDB)有料信用調査帝国データバンク・150万社超えの企業データ/信用情報・業界構造/与信/商圏調査など広範に活用
東京商工リサーチ(TSR)有料信用調査東京商工リサーチ・与信、業界/企業概要・資本提携関係も把握可・未上場含む詳細データ
・B2Bマーケにも有効
マクロミル有料一次調査系マクロミル・国内最大規模のパネル&生活者調査サポート・ブランド/生活者ニーズ調査や仮説検証フェーズで有効
インテージ有料一次調査系インテージ・消費者行動データ国内最大級
・食品/薬品/化粧品等に強み
・生活密着業界の動向把握/新商品開発
クロス・マーケティング有料一次調査系クロス・マーケティング・スピード感ある調査対応/柔軟な設計・仮説テストやスピーディな用途に適
楽天インサイト有料一次調査系楽天
(インサイト)
・グループの行動ログ/アンケート連動
・EC/金融分野特化
・楽天関連領域の調査、購買行動分析に有効
Statistaグローバル/二次Statista(独)・7万超の統計グラフ/資料を多言語で提供・海外動向比較
・グローバル戦略資料作成
Euromonitorグローバル/二次Euromonitor(英)・100カ国以上/詳細な業界・消費者分析・海外進出/市場予測/ブランドシェア分析必須

まとめ

市場調査において「どのツールを使うべきか?」という問いに、唯一の正解はありません。調査の目的、対象とする業界・地域、扱うデータの種類、さらには予算や社内体制によって、最適なツールは大きく異なります。

本記事では、「公的・二次データの活用方法」を中心に、代表的な統計ポータルや有料ツールの使い分け、さらには調査フェーズごとの活用シナリオをご紹介しました。重要なのは、目的に応じたデータの信頼性・解像度・スピード感を見極めることです。

公的データは「構造理解」や「仮説構築」に向いており、コストを抑えて広範な情報を得ることができます。一方、有料データは「精緻な比較」や「戦略意思決定」において欠かせない手段であり、業務効率と意思決定精度を大きく高めてくれます。

今後は、より専門的なニーズに応じたトピック別の記事を通じて、各ツールの使い方や比較ポイントを詳しく解説していきます。まずは、ご自身の目的に合った切り口から、以下の関連記事もぜひご覧ください。


参考リンク一覧


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この記事を書いた人

マーケティングの実践ガイドコンテンツをお届けするMarketing Library 編集部です。

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